事務局通信

最近、個人的に「合成の誤謬」という用語を見聞する機会がよくあります。ミクロの部分では適正に行動していても、マクロの集合体の面で見ると不適切な状態にあることを言います。

各人が良かれと思っておこなっていても全体的には不都合な結果になっている。かつ、そのことを各人が知ることがない。典型的な例が貯蓄です。老後の不安解消のため貯蓄額がどれだけあればいいか紹介する記事を見ますが、みんな貯蓄に走ったら経済が停滞します。そしたら、さらに不安になってみんなは貯蓄に励みます。「そんな心配は必要ない」と安心できる制度が必要なのですが、あるのか? ないのか? 不安だ!

日常の中で見れば、同じ目標を持っていながら関係者がバラバラなことをおこなっている場合が当てはまりそうです。一見うまくっていそうですが、ホントはこんな絵の状態かもしれません。

気づきましたか?

2017.07.03(月)

事務局補佐 柴田稔


「個」の集積が「全体」を形作らないことを証明したアローの社会的厚生関数は、ソーシャルワークにおいて証明されているわけではありませんが、ソーシャルワークにおいて、1982年の岡本民夫先生の健光園(特養)の研究以降、太田義弘先生など、ソーシャルワークの大御所の先生方の一連の「個」から「全体」へ科学的アプローチの研究があるといえるでしょう。しかし、まだまだパッチワーク的な集積となっている途上について、「合成の誤謬」の危険性を、私たちは振り返る必要があるのかもしれません。

「合成の誤謬」は、1990年代、IT業界でSAP社をはじめとしたERPソフトの台頭により、まさに「砂上の楼閣」という全体を形作りました。全社最適化を計るべく投資した資本を回収できた企業は、結局のところ、元々資本の豊かな所に限られたようです。「全体を最適化する」ことは、「個」と「個」の間を調整する必要がありますが、そもそもそこを測る手段がなく、「全体を考える」という言葉に隠れてしまう傾向があるように思えます。「省察すること」の重要性は、様々な世界にあるようです。

2017.07.05(水)

事務局長 牛田稔一


2017年7月9日(日)、SDM-Japanが主催した意思決定支援モデル開発の研修がありました。

「利用者の利益(Best Interest)」を考えることは、社会福祉士会の倫理綱領にも明記されていますが、これに対して「表出された希望・内なる望み(Expressed Wish)」を尊重する支援のあり方に着目したもので、オーストラリアでの実践をもとにしています。日本社会福祉士会主催の研修にも、意思決定ツールの開発に関する研修がありますが、今後の参考にしていきたいと思いました。

 

2017.07.14(木)

事務局長 牛田稔一

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