Good time, Happy retirement, それぞれデンマーク、アメリカでの年金を受け取る世代のニックネームだ。一方の日本では、「老後」?

尊厳、選択の自由、安心した生活と、社会福祉の基盤も備えているオリックス・リビング株式会社の有料老人ホーム。実際に見てみると、ステキです。

このような民間企業の参入は、介護の社会化現象には必要不可欠なものであるが、制度内で動いている事業所からすると、そんなに甘いものではないとか、本当の介護なんかわからないわよ、といったある種の差別化要因があるかのごとく振る舞うこともある。しかし、こうした意識は、「社会化現象時代」には、既に内向きな議論であろう。社会が求めているサービスは、常に制度内にある保証はない。人それぞれの生活に応じたサービス提供があるのは、一般市場も同じである。

社会福祉の”社会”を本当の意味で社会に掲げる為には、福祉は福祉、と分けてしまうのではなく、オリックス・リビングのような企業と同じレベルで議論ができ、なおかつ福祉が分かっているという優位性をアピールしていく必要があるのではないか。それによって、社会福祉士の地位もまた、向上することが期待できるだろう。

(2016.09.16)


釜ヶ崎は外国?このニュアンスはいろんな議論を巻き起こす。ここを14歳の時に興味を持った女性がいた。NPO法人Homedoorの川口加奈さんである。その後、大学では労働経済学を学び、福祉を専攻したわけではないが、ホームレス支援への興味は尽きず、在学中に、現在のNPOを立ち上げた。社会福祉士という名称を掲げなくても、逆に福祉関係者に頼られる存在として、また、社会変革型リーダーとして取り上げられる事もある。こうした背景には、日本が経済価値を生み出すビジネスモデルを政治・経済・社会に見出しにくくなった成熟化した社会であることを示唆するのかもしれない。かつては、アントレプレナーとして単に起業家として取り上げられた位置づけにある人たちが、今は何かしら福祉と繋がりのある立場にあることが多くなっている。しかし、その輪の中に、福祉を学んだ人達がほとんどいないのはなぜなのか。ソーシャルアクションを声高に言ってはいるが、福祉を学んでいない社会変革型リーダーは、そう言わなくても当然のようにアクションをしている。「社会に良さそうなことをしたいんですか、それとも社会を変えたいんですか?」という問いがある。ミクロに寄りがちな私たち社会福祉士の支援もまた、社会構造の中になければならないはずである。

(2016.08.26)


Newsweekに紹介されたAirbnb。日本政府が2020年までに3000万人の訪日外客数を計画していることを見越したビジネスである。一見、福祉と関係のないように見えるこのニュースだが、「民泊」の自由化という法改正を利用したビジネスチャンスとみる一方で、ソーシャルビジネスとして地域再生の手掛かりとする見方もある。地域のことは地域でという福祉的な内なる考えの一方で、観光地化していない片田舎で見かける外国人を取り込んだグローバルな観光ビジネスを、福祉関係者はどうみるのか。ティトマスの「残余的な福祉」を持ち出す必要はない。ニッチビジネスは常に残余的なものなのだ。内面からの地域福祉ではなく、オリンピックを契機とする外圧を利用した地域福祉を、福祉関係者が世に発信していかなればならない、と考えさせられた記事であった。

(2016.8.19)

(写真は、Newweek Internet版より掲載:東京・お台場のHOUSE VISION 2016 TOKYO EXHIBITIONで展示されている「吉野杉の家」